Our Brand

クレッタルムーセンKlättermusen
クレッタルムーセンは、北欧最大の山岳リゾートであるスウェーデン・オーレ発の1975年創業の孤高のアウトドアブランドです。厳選されたマテリアル、人間工学に基づいたデザイン、独自のディテールにこだわった製品作りに特徴があり、中でもサステナブルに関する取り組みは広く評価されています。極北の地で開発されたその製品は、創業から四十年以上、数多くの冒険者たちに評価され続けています。
Philosophy-1 |
Philosophy-1 |
DIY精神を忘れない。
クレッタルムーセンの始まりは、ひとりの若者が始めたワークショップでした。もともとあったプロダクトを、より自分の使いやすいように、自らの手で改良するという行為です。これは1970年代のアメリカのクライマーに端を発する動きで、これに強く影響を受けた創業者のピーターは、この動きの北欧版というべき試みを始めました。ゲイターに始まり、バックパックなどを自分の活動する極北というフィールドにアジャストさせる行為。それは徐々に変化していき、本格的なプロダクト作りへと発展していきますが、根底にあるものはいまも変わりません。寸分違わぬ正確さよりも、ハンドメイドの緻密さを。言葉を変えれば「いまこの場所で使いやすいのか、そうでないのか」。我々の頑固ともいえる物作りへの姿勢は、創業時から変わりません。
Philosophy-2 |
捨てなくて良いものを。
スカンジナビアの国々は1900年代前半まで自然環境的にも資源的にも厳しい国でした。そこから生まれたスカンジナビアデザインの最大の特徴は「長く使える」ということだと考えています。例えば、極北でトナカイとともに暮らすサーミの人々の衣服は、完全に天然素材で、壊れたとしてもすぐに修繕できるように作られています。我々のプロダクトもそうありたいと考えています。「壊れないこと、例え壊れても修繕できること、さまざまな場面で使えること」。壊れやすいベルクロや止水ファスナーを使わないのも、そういった哲学から来ています。また、無駄にシリーズ展開を増やさないというのも、我々のこだわりです。例えば「ミスリルジャケット」や「ゲーレパンツ」は発売以来、同じ名前、同じコンセプトでマテリアルやディティールのマイナーチェンジを繰り返しています。ゼロから新しいものを作ったほうが販促的にはインパクトがありますが、その代償として自然へのインパクトも増えます。プロダクトそのものだけではなく、シリーズそのものも“捨てなくて良いものを”。このことを開発の段階から考え抜いています。
Philosophy-3 |
貧しすぎて安いものが買えない。
我々のプロダクトのプライスタグに驚かれることがしばしばあります。しかし実は、我々としては高いとは思っていません。イギリスの格言で「貧しすぎて安いものが買えない」というものがあります。貧しいと安いものばかり買うが、それはすぐに壊れるから買い替えなくてはならず、さらに貧しくなるというような意味ですが、我々はこの言葉をとても大切にしています。ですから徹底的に機能にはこだわります。すべてのパーツ形状、作り、マテリアルにおいて妥協することは一切ありませんし、すべてにおいてきちんと説明できる意図が込められています。もしもあなたが「高い」と思ったらのなら「なぜ高いのか?」という疑問を我々にぶつけてみてください。そのすべてに納得のいく答えは、開発当初からすでに用意してあります。
Philosophy-4 |
Philosophy-4 |
自然に挑むのではなく、自然と共に。
2004年に発表した「エインライドジャケット」は、まさに化学繊維が隆盛を極めていた頃に発売したコットンアウターです。これを開発した背景には「自然を纏って、自然に出かけられないのか?」というシンプルな疑問がありました。かつてはデニムやウールなどの自然素材がアウトドアウェアの主役でした。たしかに大雨の時に自然の中に入るのであれば、化学繊維の耐水圧が必要になるかもしれないですが、小雨程度だったら? そういった疑問から生まれたこのコットン製のジャケットはとても静かで、森や山の音を邪魔しません。化学繊維が発するシャカシャカとしたキャンディの包み紙のような音は、自然には相応しくないということに気付かせてくれるはずです。その後、この「エインライドジャケット」は、コットンにリップストップ加工を施した「アンサー」シリーズへと進化し、我々の哲学を伝えるための中核となっています。我々は、創業当初からカウンターカルチャー的考え方を持っています。これらのコットンアウターは、「化繊だけが“唯一”の解決策である」と言い切るビッグカンパニーに対する問いかけでもあります。
Philosophy-5 |
できるだけものを作らない。
他のアウトドアブランドに比べても、早くから環境負荷を減らす物作りに取り組んで来ましたが、我々は“サステナブル”という言葉があまり好きではありません。「サステナブルな会社だ」というのは偽善的ですらあると考えます。なぜなら存在しないことがもっともサステナブルだから。だから私たちは「環境に対してなにが手伝えるか」ということを考えます。クレッタルムーセンは、例えば森林の保護にどう対処するかという“プロセスの終わり”ではなく“プロセスの始まり”のほうを強く意識しています。つまり「この商品は本当に必要なのか?」「新しくする必要はあるのか?」「改良することはできないか?」。“できるだけものを作らない”という、企業としてはある種の矛盾を肯定的に捉えています。